メガネのメンテナンスについて
店長の宮尾です。
展示会シーズンもひと段落し、店舗業務に勤しんでおります。
この時期、メンテナンスや修理のご相談が多くあったので、せっかくなのでブログにまとめてみました。
この記事は、もともとTwitterへの投稿をまとめたものです。
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お客様からご依頼を受けたのは、だいぶ良い感じに年季の入ったこちらのtheoのフレーム。
コイツはメンテナンスの腕が鳴るぜ… ダメ元で、とお客様より許可頂きましたが、その言葉でより燃えます。
思い出のあるフレームならば何とかしたい!
黒とハバナ生地の貼り合わせのフレームですが、だいぶ白化が進んでいます。
汗などが付着して放置するとこのようになります。
テンプルもかなり曲がって、型崩れしていますね。
裏面もこの通り。
こちらもだいぶ白化が進んでいます。
全体的にアセテート生地そのものが乾燥している様子です。
では、乾燥してしまったアセテートフレームのメンテナンスに入りましょう。
細かいヒビもある傷んだ状態です。
私は潤い補給からスタートします。
バッファローホーンのメンテナンスに使用する、天然のホホバオイルを塗り込んで少し温めながら浸透させます。
これだけでも白化部分が早くもキレイになってきました。
放置して潤いを浸透させます。
ここで参考に、アセテートが縮んで痩せてしまったテンプルです。
ちょっとだけ金属が飛び出していますよね。
経年変化ですので、皆さんのアセテートフレームにも起こります。
使用上問題はありませんが、心配でしたらこまめにメガネ屋さんにご相談を。
メンテナンスで少しは経年変化を遅らせられる…かも?
潤い補給と同時に型直しをしています。
メガネとしての『正位置』を取り戻せるか?が大事です。
そこから再度フィッティングです。 生地が痩せているので、ちょっと怖いですが慎重に行いました。
テンプルもしっかり揃い、だいぶキレイになってきました。
一番最初の写真と比較してみてくださいね。
メガネを広げた状態でもほぼ正しい開き具合に戻りました。
そろそろフレーム磨きに入ります。
フレーム磨きの際は、紙ヤスリとスポンジ研磨材を使っています。
私は紙ヤスリはあまり使いません。
よほど汚れがひどいときは紙ヤスリの400から始めます。
スポンジ研磨材はフィット感も良く、重宝します。
小さくカットして細かい部分にもフィット!
ツヤがなくなり白化していたフレームですが、だいぶ白化がとれてキレイになってきました。
黒が黒らしく。
ツヤが出て美しさが戻ってきました。
少し白化が残っていますね。
まだまだこれからです。
この工程を繰り返して美しく仕上げていきます。
お待たせしました。 メンテナンス完了です。
メガネとしての正しい形と美しいツヤを取り戻しました。
2〜3回オイル補給、ヤスリがけ、磨きを繰り返してここまできました。
白化もほぼなくなりましたね。
こちらも一番最初の写真と見比べてみてください。
劇的な変化です。
hoetのディスプレイにお行儀良く座り、どこか誇らしげです。
横浜でtheoとhoetが巡り合うとは思わなかったでしょう。
新品かと思うようなくらいピカピカの輝きです。
テンプルもツヤツヤ!
ブリッジ裏は磨いてみたら細かいヒビがたくさん!
あまり負担をかけないように、磨きもある程度におさえました。
こちらも白化がとれてキレイになりました。
キレイになったら、レンズ交換してまた使いたいなと仰られていましたので、お渡しするのが楽しみです。
これだけキレイになれば、また使いたくなりますよね。
喜んでくださると良いのですが・・・
新しいメガネももちろん良いですが、思い出のメガネ、大好きなメガネを、長く大切に使うのも大事なことです。
メガネ屋さんは色んなことやってくれます。
メガネについて困ったこと、わからないことがあればなんでもお気軽にご相談ください。
上手にメガネ屋さんとお付き合いして、メガネ生活、得しちゃいましょう。